「トレイルランニング、気になるけど何から始めればいい?」
ロードランニングに慣れてきたランナーが一度は考える疑問だ。実際に月300km走る40代ランナーが藻岩山で初トレランを体験してわかったことをもとに、トレイルランニングの始め方・装備・走り方を初心者向けにまとめる。
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トレイルランニングとは
トレイルランニング(トレラン)とは、山道・未舗装路・自然の地形を走るスポーツだ。舗装路を走るロードランニングと異なり、土・岩・木の根といった不整地を走り抜ける。距離は数kmのお手軽コースからUTMB(ウルトラトレイル・デュ・モンブラン)のような170km超のレースまで幅広い。
初心者は近場の低山から始めるのが基本で、「走る登山」と「登山しながら走る」の中間くらいのイメージが実態に近い。特に急登では走るより歩いた方が速く、効率的なこともある。
ロードランナーがトレランをやるべき3つの理由


① ロードでは鍛えにくい筋肉が鍛えられる
急登を登るときに主に使われるのは臀筋(大臀筋)・股関節まわりの筋肉だ。ロードランニングではどうしてもクワッド(大腿四頭筋)主体になりやすく、臀筋への刺激が少ない。トレランを取り入れることで臀筋が強化され、ロードでのランニングエコノミーも向上する。
また、不整地での着地はバランスを保つために体幹・足首周りも活発に使われる。「いつもと違う部位が筋肉痛になった」はトレランあるあるで、それがそのままプラスの効果になる。
② 接地感覚が研ぎ澄まされる


不整地では一歩ごとの着地が全部異なる。岩・木の根・泥・斜面と毎歩違う地面に対応するため、「どこに・どう足を置くか」を常に意識しながら走ることになる。これがロードのフォーム改善にも繋がり、接地の精度が上がる。
③ 自然の中を走る気分転換効果が高い
土のにおい、木の香り、鳥の声、風の音。ロードを走るときとは別次元の感覚が同時に入ってくる。タイムや距離ではなく純粋に「走ること」を楽しめる時間になる。ロードの練習に飽きを感じているランナーの気分転換として、トレランは非常に有効だ。
まず揃えるべき装備


① シューズ(最優先)


トレランで最初に揃えるべき装備はシューズだ。ロードシューズとトレランシューズの最大の違いはソールのグリップ力。トレランシューズは底面に突起(ラグ)があり、泥・岩・木の根でも滑りにくい設計になっている。
ロードシューズでトレランをすると、下りの濡れた地面や急斜面で滑るリスクが高まる。最初の1足として選ぶなら、グリップ力があり防水仕様(ゴアテックス)のものが使いやすい。冬道と兼用できる一足があれば初期コストも抑えられる。
- ラグ(底面の突起)がある → グリップ力の源
- ゴアテックス防水 → 雨・雪・水たまりに対応
- クッション性より安定性重視 → 捻挫予防
- インソールがしっかりしているもの → 岩場での足裏保護
② 水(ソフトフラスク or ハイドレーション)
山の中では給水ポイントがない。必ず水を持参するのがトレランの鉄則だ。目安は1時間あたり約500ml。藻岩山のような9km・1時間強のコースなら500mlあれば十分だが、気温や発汗量に応じて増やす。
持ち方はランニングベストのポケットに入るソフトフラスクが定番。走りながら絞り出せるので補給がしやすい。ペットボトルでも代用できるが、手に持って走ると疲れるのでポケット収納が基本だ。
③ 補給食
ロードより消耗が大きいため、補給食は必携だ。特に累積登高が300m以上のコースでは途中補給が必要になる。おすすめはえいようかん・スポーツようかんなどの和菓子系か、ゼリー飲料だ。
ただしトレランでは立ち止まって補給するシーンが自然に発生する(急登で歩くタイミングなど)ので、片手補給にこだわる必要はない。食べやすいものを選ぼう。




④ ストック(初心者にはあると助かる)
ストック(トレッキングポール)は必須ではないが、初心者には持っていくことをおすすめしたい装備のひとつだ。急登での推進力補助・下りでの膝への衝撃軽減・バランス補助と、使えば使うほど体への負担が減る。
今回の藻岩山では使わなかったが、累積登高400m以上・1時間超のコースではあった方が楽しみながら走れると感じた。ランニング用の折りたたみ式(カーボン素材)が軽くて携帯しやすくおすすめだ。
走り方のコツ
登り:パワーハイキングを使いこなす


トレランで最も大事なスキルのひとつがパワーハイキングだ。急登を「走って登ろう」とすると心拍が急上昇し、エネルギーを消耗する。一方、大股で力強く歩くパワーハイキングは、走るより効率よく登れることが多い。
具体的には:
- 前傾姿勢で体重を前に乗せる
- 膝に手を当てて押し込む(自分の体重を腕で補助)
- お尻(臀筋)を意識して蹴り出す
- 心拍数が上がりすぎたら即座に歩きに切り替える
「傾斜がきつくなったら迷わず歩く」これだけで後半のペースが格段に安定する。
下り:膝を守りながら走る


下りはトレランの醍醐味でもあり、初心者が最も怪我をしやすい場面でもある。ポイントは3つ。
- 重心を低く保つ:腰を少し落として安定させる
- 歩幅を小さく:大股で下ると膝への衝撃が大きい
- 足の置き場を先読みする:岩・木の根・泥を一歩先に確認してから着地
初めての下りはゆっくりでいい。慣れてきたら徐々にペースを上げていく。膝に不安がある人はストックを使うことで衝撃を分散できる。
初心者向けコースの選び方


初めてのトレランは距離・累積登高ともに控えめなコースから始めるのが鉄則だ。目安は以下の通り。
🏔️ 初心者コースの目安
| 距離 | 5〜10km程度 |
| 累積登高 | 200〜400m程度 |
| 路面 | 整備された山道(ぬかるみや岩場が少ない) |
| エスケープ | 引き返せる往復ルートが安心 |
| 同行者 | 初回は経験者と一緒が理想 |
札幌近郊であれば藻岩山は初心者の最初の一山としてちょうどいい。往復5km弱・556mは「ちょっときつい」くらいの難易度で、山頂の景色というわかりやすいご褒美もある。その人のレベルによって5つあるコースから好きなものを選べるのも魅力だ。


まとめ:ロードランナーのトレラン入門チェックリスト


- トレランシューズ(グリップ付き)を用意した
- 水を最低500ml持った(1時間あたり500ml目安)
- 補給食を1〜2本持った
- 往復ルートとコースタイムを確認した
- 天気予報を確認した(雨の日は路面が滑る)
- スマホに地図アプリ(YAMAPなど)を入れた
- できれば経験者と一緒に行く
トレランはロードランニングとは別の楽しさと達成感がある。装備を最低限揃えて、近くの低山から始めてみてほしい。最初の一歩さえ踏み出せば、走り続ける理由がまたひとつ増える。
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