2024年4月、体重86kgでランニングを始めた。いまは66kgで、フルマラソン3時間36分35秒、ハーフマラソン1時間23分31秒、10km36分48秒まで来た。
ただ、ここまでまっすぐ来たわけではない。靴で滑り、膝を痛めて8ヶ月近くリハビリをし、その前にはダイエットでリバウンドもしている。
この記事は、2年半前の自分に渡したい9つのことをまとめたものだ。これから走り始める人と、走り始めて数ヶ月の人に向けて書く。どれも私が実際にやらかしたか、やってみて効いたことだけにしてある。
1. シューズは値段ではなく「どれだけ走るか」で選ぶ
最初の1足は、ワークマンの980円のシューズだった。
走り始めて2ヶ月で、靴底がスリッパのように平らになった。そしてある雨の日、濡れたマンホールの上で滑った。
安い靴が悪かったわけではない。問題は、週に何km走るのか、どんな路面を走るのかを考えずに、値段だけで選んだことだ。靴底は走った距離のぶんだけ確実に減る。溝のなくなった靴底で、濡れたマンホールや白線の上を走るとどうなるかは、一度滑ってみるとよくわかる。
いまの私なら、最初の1足はランニング用として売られているものを選び、雨の日の前に靴底の溝が残っているかを見る。いまは練習の目的ごとに6足を使い分けているが、それは6つ目の話で書く。
2. 膝の違和感は、押し切らずに止まる
これが9つの中でいちばん高くついた。
2025年の年明け、膝に違和感があった。走れないほどではなかったので、そのまま押し切って走り続けた。
結果、左膝を痛めた。病院での診断はタナ障害だった。同じときにMRIを撮って、自分ではまったく気づいていなかったが、かなり昔から半月板を損傷していたことも告げられた。
そこから2025年の北海道マラソンの直前まで、リハビリが続いた。年明けから8月の末まで、8ヶ月近くになる。
違和感の段階で止まっていたら、どれくらいで済んだのかはわからない。ただ、押し切った結果がこれだった、ということは書いておきたい。
いまは、膝に違和感が出た週は、予定していた練習をまるごと捨てると決めてある。捨てると決めておけば、その場で迷わなくて済む。違和感や痛みが続くなら、自分で判断せずに整形外科で診てもらってほしい。
3. いきなり走らず、準備期間をとる
何事も、準備期間が大切だった。
私は走ると決めてから実際に走り出すまでに、約1か月かかっている。その間は、まず歩いていた。いきなり走らなかったのは、結果的に正解だったと思っている。

歩くことに慣れたあと、走り始めの1週間をどう組むかはこちらにまとめた。

走れるようになってからも同じで、今年10月のハーフマラソンに向けては、本番の19週間前から計画を立てて準備している。
4. 速く走るのは練習の2割くらいでいい
走り始めた頃、走るとは息が上がるものだと思っていた。ゆっくり走っているつもりでも、あとで心拍数を見ると160〜170まで上がっていた。毎回ほぼ全力で走っていたことになる。
いまの私の練習で、本当に速く走っているのは全体の2割くらいだ。インターバルやテンポ走のような速い練習は週に2〜3回で、残りはゆっくりのジョグで距離をつないでいる。
ゆっくり走るのは、実は速く走るより難しい。調子がいい日ほど、気がつくとペースが上がっている。練習のペースの種類については、ここで整理した。

5. よく寝ると、明らかに調子がいい
よく寝た次の日は、明らかに調子がいい。理由を説明するより先に、体のほうがわかる。
平日は朝4時台に起きて走っているので、正直に言うと、睡眠はいまも一番うまくできていないところだ。だからこそ、寝た日とそうでない日の差がよくわかる。

時計が睡眠を記録してくれるので、寝た時間とその日の走りを並べて見られる。練習メニューと同じくらい、睡眠も計画に入れておけばよかった。
6. シューズは目的別に履き分ける
980円の1足から始めて、いまは練習の目的ごとにシューズを変えている。目的別に履き分けると、いいことがある。
| 練習 | シューズ |
|---|---|
| レース | ニューバランス フューエルセル スーパーコンプ エリート v5 |
| インターバル | ニューバランス フューエルセル レベル v4 |
| テンポ走 | アディダス アディゼロ ボストン 13 |
| ロング走・坂 | ニューバランス フューエルセル プロペル v4 |
| 平日の昼ラン5km | サグアロ(ベアフットシューズ) |
| 雨・雪・トレイル | ニューバランス ダイナソフト ナイトレル v6 GTX |
(2026年8月時点)どう使い分けているか、履き分けて何がよかったかは別の記事にまとめた。

7. 札幌の冬、大雪の日はやっぱり走れない
札幌の冬も、走れないことはない。雪道用のシューズもあるし、大雪警報が出る中で開かれた大会を走ったこともある。

それでも、大雪の日の練習はやっぱり無理だった。1月から3月の上旬までは、ジョグくらいはできても、スピードを出す練習はほとんどできない。
だから冬は、走れない日がある前提で計画を立てる。雪道で使っているシューズと、大雪の中の大会の話はこちら。


8. 食事だけで痩せると、止まって戻る
ランニングを始める前、2023年の健康診断のあとに、食事だけで体重を落としたことがある。
76kgくらいまでは落ちたが、そこで止まった。そして2024年4月、ランニングを始めた日には86kgに戻っていた。

走り始めてからは、2年半で66kgまで落ちた。食べる量を我慢するのではなく、走ったぶんは食べていい、と考えるようになってから続くようになった。
誰にでも同じことが起きるとは言わない。ただ、私の場合は食事だけでは続かなかった。走り始めて体に何が起きたかは、1年半たった時点でもまとめている。

9. ランニングウォッチは最初から持つ
最後に、いちばん大事だったことを書く。ランニングウォッチは、本当に大切だった。
私はスマホのアプリで走り始め、その後Huawei Watch Fit 3を使い、2026年4月からカロス ペース4(COROS PACE 4)を使っている。

ここまでの8つのうち、4つ目と5つ目は、時計の数字を見て初めて気づいたことだ。ゆっくりのつもりで心拍数が170まで上がっていたことも、よく寝た日の調子の違いも、感覚だけでは「なんとなく」で終わっていた。
心拍数や接地時間のデータがあると、自分の感覚に説得力が出る。調子がいいと感じた日に、本当に接地時間が短くなっているかを数字で確かめられる。
さらに、そのデータをAIと組み合わせると最強だった。2026年8月から、カロスの時計のデータをAIに直接読ませられるようになった。いまはその日の心拍や睡眠をAIに読ませて、練習の振り返りに使っている。


最初から高い時計でなくていい。ただ、心拍数と距離が記録できるものは、走り始めた日から持っておけばよかった。


まとめ:9つのうち、いくつかは近道できる
9つを並べると、靴、膝、睡眠、体重と、ばらばらのことを書いたように見える。
でも振り返ると、どれも「早く気づいていれば遠回りしなかった」ことだった。そのうちいくつかは、時計に残った数字で気づいた。9つ目を最後に置いたのはそのためだ。
いまは10月のハーフマラソンで1時間20分切りを狙っている。膝に爆弾を抱えたままでも、ここまでは来られた。これから始める人は、この9つのうちいくつかを飛ばして、もっと近道をしてほしい。
そもそもなぜ走り始めて、なぜ続いたのかは、noteに書いた。


