カロス(COROS)8月アップデート解説|目玉は「時計のデータをAIに読ませる」COROS MCPだった【PACE 4で検証】

当ページのリンクには広告が含まれています。
カロス 2026年8月アップデート解説

カロス(COROS)から2026年8月のアップデートが来た。リリースは2026年7月29日だ。

毎回この記事を書いているが、今回はいつもと様子が違った。目玉として並んでいるのはライブトラッキングと睡眠スコアの刷新なのだが、「その他」の欄に、とんでもないものが混ざっていた。

COROS MCP。時計に貯めたデータを、AIに直接読ませる機能だ。

実際につないでみたら、これが一番デカかった。この記事では、4つの変更点を一通り紹介したうえで、MCPを実際に使って何が起きたかを正直に書く。PACE 4での検証だ。

目次

2026年8月アップデートで何が変わったのか

2026年8月アップデートの全体像。変更は大きく4つ
2026年8月アップデートの全体像。変更は大きく4つ

公式の発表を整理すると、変更点は4つに分かれる。まずはざっと押さえておこう。

カテゴリ主な内容
ライブトラッキングリンクを共有すると、家族や友人が地図上で走行中の自分を追える。ルートを事前アップロードでき、写真・ピン・音声メモも走りながら残せる
睡眠スコアの刷新総睡眠時間・各睡眠ステージの割合・就寝時刻の一貫性・睡眠ストレスで再設計。昼寝もスコアに反映されるようになった
心拍インサイトウィジェットが「日常/睡眠/運動」の3分類に再編。日・週・月の長期トレンドを追える
その他COROS MCP(AI連携)/Bluetoothイヤホンでメトロノーム/メールによる2段階認証/強度ゾーンの配色統一/トレッドミルの速度調整改善

順番に見ていくが、結論から言えばランナー的なインパクトは「その他」に入っているMCPが一番大きいと思っている。なのでそこから書く。


目玉はCOROS MCPだった|時計のデータをAIに読ませる

MCPとは何か、3行で

MCP(Model Context Protocol)は、AIが外部のデータに安全につながるための共通規格だ。今回で言えば、COROSに貯まっている自分のトレーニング履歴をAIが読めるようになる。

これまでも「今週の練習をAIに相談する」ことはできた。ただし自分で数字を書き写して渡す必要があった。ここが自動になる、という話だ。

ざっくり言えば、「うちの時計のデータ、見ていいよ」とAIに鍵を渡す機能。これまで手打ちで説明していた数字を、AIが自分で取りに行けるようになる。

つなぎ方は3ステップ。時計側の操作は不要

COROSアプリの設定に「COROS MCP」の項目が追加されている
COROSアプリの設定に「COROS MCP」の項目が追加されている

アップデート後、COROSアプリの設定を開くと「COROS MCP」という項目が増えている。「サードパーティアプリ」のすぐ下だ。ここが入口になる。

つなぎ方は3ステップだけ。時計本体の操作は一切ない
つなぎ方は3ステップだけ。時計本体の操作は一切ない

やることは、AI側に接続先のURLを教えるだけだ。時計本体をいじる必要はない。

AI側の「カスタムコネクタを追加」画面。ここにMCPサーバーのURLを入れる
AI側の「カスタムコネクタを追加」画面。ここにMCPサーバーのURLを入れる

使っているAIの設定から「カスタムコネクタを追加」を開き、リモートMCPサーバーのURLに https://mcp.coros.com/mcp を入れる。そのあとブラウザが開くので、いつものCOROSアカウントでサインインして許可を出せば完了だ。次回以降は自動でつながる。

所要時間は3分もかからなかった。ID・パスワードをAI側に打ち込むわけではなく、COROSの画面でログインして許可を出す方式(OAuth)なので、そこは安心していい。

つないでみて、実際に何が起きたか

つないだ直後に試したのは、この4つだ。

  • 直近7日間のHRV(心拍変動)と、その正常範囲・ベースライン
  • リカバリー状況と、100%まであと何時間か
  • 短期負荷・長期負荷・負荷比率の7日分の推移
  • 今週と来週にカレンダー登録してある練習メニュー(距離・想定時間・トレーニング負荷)

全部、数秒で返ってきた。これまでならブラウザでトレーニングハブを開き、ダッシュボードを見て、ワークアウトリストを開いて、と3〜4画面を行き来していた作業だ。

ただ、一番「効いた」と感じたのは、もっと地味なことだった。

日付を間違えていたのが、一発でバレた。

ワークアウトリストの「今日」という表示を信じて、2日前の練習を今日のものだと思い込んでいた。MCP経由でワークアウトを引いたら「2026-08-06」と日付そのものが返ってきて、その場で判明した。

画面を目で見て判断すると、こういう取り違えが起きる。データとして直接引くと、そもそも間違えようがない。AIに読ませることの本当の価値は、たぶんここだと思っている。速いことより、解釈が挟まらないことだ。

正直に言うと、ここは引っかかる

良いことばかり書いても仕方ないので、気になった点も書いておく。

気になる点中身
有料プランが必要ClaudeまたはChatGPTの有料契約が前提(2026年8月時点)。無料で試せる機能ではない
やれるのは主に「読む」こと筆者が使った範囲では、データを読み出す用途が中心。構造化ワークアウトを新規で組む作業は、これまで通りアプリやWebでやるほうが早い
出力は素っ気ない返ってくるのは数字の羅列に近い。意味づけはこちらが(あるいはAIが)やる必要がある
万人向けではないAIを日常的に使っていない人が、これのために課金する価値があるかというと、正直むずかしい

つまり「すでにAIを使っていて、かつCOROSを使っている人」にとっては劇的に便利だが、そうでない人は無理に飛びつく必要はない。ここは正直に書いておく。


睡眠の評価が、作り直された

刷新された睡眠スコア画面。理由まで文章で説明されるようになった
刷新された睡眠スコア画面。理由まで文章で説明されるようになった

今回いちばん見た目が変わったのが睡眠だ。スコアの根拠が6つの要素に整理された。

  • 総睡眠時間
  • 深い睡眠の割合
  • レム睡眠の割合
  • 覚醒状態(持続時間と頻度)
  • 睡眠時間の一貫性
  • 睡眠ストレス

後ろの2つが新顔だ。そして、この2つが効く。

「就寝時刻の一貫性」が入ったのが大きい

就寝時刻が30日平均から何分ズレたかを評価してくれる
就寝時刻が30日平均から何分ズレたかを評価してくれる

過去30日の平均と比べて、今日の就寝時刻が何分ズレたかを見る指標だ。前後30分以内なら「最適範囲」と表示される。

これが地味に良い。というのも、「寝る時刻を守れているか」と「ちゃんと眠れたか」は別問題だからだ。筆者の場合、就寝時刻の評価は「非常に良い」なのに、睡眠スコア自体は伸びない日が続いた。つまり寝る時刻は守れているが、寝ていられる時間が足りないということが、初めて数字で切り分けられた。

正直に書くと、この機能のおかげで自分の睡眠がかなり足りていないことが可視化されてしまった。ピーク週明けの1週間、主睡眠が4時間台の日が続いていた。HRVが正常範囲の下限をうろうろしていた理由が、練習量ではなく睡眠のほうにあった可能性が高い。

走る量を調整するより先に、寝る時間を確保しろという話だった。新機能に叱られた形だが、見えていなかったものが見えるようになったこと自体は、素直にありがたい。

昼寝がスコアに入るようになった

これまで昼寝は蚊帳の外だったが、今回から主睡眠と合わせて評価される。早朝ランで睡眠時間が削られる人には、地味に効く変更だ。実際、夜の睡眠が3時間半しかなかった日に2時間48分の昼寝が乗って、スコアがその週で一番高くなった日があった。

記録の修正ができるようになった

地味だが実用的なのがこれだ。

  • 誤って記録された睡眠を削除できる
  • 始まりと終わりをトリミング/延長できる
  • 2時間以内に分かれて記録された睡眠を結合できる

「ソファでうたた寝したのが睡眠として記録されていた」みたいな事故を、あとから直せる。スコアを平均で追いかけている人には効いてくる。

直近7晩との比較が睡眠カードの下部に出るようになった
直近7晩との比較が睡眠カードの下部に出るようになった

あわせて、直近7晩との比較が睡眠カードの一番下に出るようになった。単発の数字ではなく波として見られるので、良い日・悪い日の理由を探しやすい。


心拍ウィジェットが「日常/睡眠/運動」に分かれた

日常心拍数と睡眠時心拍数が分けて表示されるようになった
日常心拍数と睡眠時心拍数が分けて表示されるようになった

これまで一緒くたに表示されていた心拍データが、日常・睡眠・運動の3つに分けられた。

ランナーにとって効くのは睡眠時心拍数だ。安静時心拍と近いようで違い、疲労が溜まると寝ているときの心拍が上がる。「過去7日間との比較」が併記されるので、いつもより高いかどうかが一目でわかる。

さらに、日・週・月の長期トレンドが追えるようになった。データは2026年1月1日以降が対象なので、それ以前の履歴は出てこない点だけ注意してほしい。

心拍を練習の指標として使う話は、こちらに詳しく書いた。


ライブトラッキングは、10月4日に使う

ガーミンのライブトラック相当の機能が、ついにカロスにも来た。リンクを共有すると、家族や友人がブラウザの地図上で走行中の自分を追える。

  • レース前にスケジュールを組んでリンクを事前共有できる
  • 走り出してからその場で共有を開始することもできる
  • ルートを事前にアップロードしておけば、今どこで、この先どこへ行くのかまで見せられる
  • 走りながら写真・ピン・音声メモを地図上に残せる(観戦側にリアルタイムで届く)

筆者はまだ本番で使っていない。10月4日の札幌マラソンで使うつもりだ。ハーフでサブ80(1時間20分切り)に挑戦する日なので、家族に見てもらう理由としては十分だろう。使ったら別記事で報告する。

なお、応援する側はアプリを入れる必要がない。共有されたWebページを開くだけで見られるので、そこは気楽に頼める。


対応機種と、アップデートのやり方

区分機種
対応PACE 4 / APEX 4 / NOMAD / PACE Pro / PACE 3 / APEX 2・APEX 2 Pro / VERTIX 2・VERTIX 2S / DURA
一部対応PACE 2 / APEX Pro / VERTIX 1 / APEX 42mm・46mm

アップデートはCOROSアプリ経由で行う。時計を充電しながら、Wi-Fi環境で実行するのが安全だ。筆者のPACE 4は問題なく完了した。所要時間は10分ほどだった。


まとめ|今回のアップデートは「見えるものが増えた」回

毎月アップデートが来るのがカロスの良いところだが、今回はその中でも当たりの回だと思う。

機能評価
COROS MCP★★★ AIを使っている人には劇的。ただし有料プランが前提
睡眠スコアの刷新★★★ 就寝時刻の一貫性が入ったことで、原因の切り分けができるようになった
心拍インサイト★★☆ 睡眠時心拍の長期トレンドが有用。地味だが効く
ライブトラッキング★★☆ レースで使ってこそ。評価は10月4日に持ち越し

全部に共通しているのは、「新しいことができるようになった」というより「見えていなかったものが見えるようになった」という点だ。

そして見えるようになると、たいてい都合の悪いことも一緒に見える。今回で言えば、自分の睡眠時間がそれだ。だが、見えないまま10月4日を迎えるよりはずっといい。

計測器は、褒めてくれる道具ではない。正しく落ち込ませてくれる道具だ。

そのぶん、直すべきところが決まる。

※ 睡眠や心拍の数値は体調を映すが、医療的な診断ではない。不調や不眠が続く場合は、数字を眺めるより医療機関で相談してほしい。

カロスの練習メニュー機能や分析ツールの使い方は、こちらにまとめている。あわせてどうぞ。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


このサイトは reCAPTCHA によって保護されており、Google のプライバシーポリシー および 利用規約 に適用されます。

reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。

目次