ロング走の補給食といえば、ジェルや羊羹が定番だ。だが先日、知り合いから「リポビタンキッズゼリー」をもらった。あの大正製薬が出している、子ども向けの栄養ゼリー飲料である。
パッケージはピカチュウ。どう見ても大人のランナーが補給に使うものではない。だが「栄養ゼリーなら走りにも使えるのでは?」と気になり、15kmのロング走に持ち出してみた。結論から言うと、レースには向かないが、練習用としては意外とアリだった。実際に走って感じたことを正直にまとめる。
- 大人のランナーがロング走で使った正直な使用感
- サイズ・甘さ・開け閉めなど、実際に走って分かった注意点
- 栄養成分とカフェインの有無(リポビタンDとの違い)
- どんな場面なら補給食として使えるか
リポビタンキッズゼリーとは|子ども向けの栄養ゼリー飲料
リポビタンキッズゼリーは、大正製薬が手がける成長期の子ども向けゼリー飲料だ。位置づけはあくまで清涼飲料水(食品)で、栄養ドリンクの「リポビタンD」とは別物。タウリンやカフェインは入っていない。
カルシウム、ビタミンB群(B1・B2・B6)、糖質としてぶどう糖とパラチノースを配合。保存料・酸化防止剤・アレルゲン28品目を使っていないのも特徴だ。

| 項目 | 内容(1袋125gあたり) |
|---|---|
| 内容量 | 125g/1袋 |
| エネルギー | 99kcal |
| 炭水化物 | 25.7g(うちぶどう糖6.7g・パラチノース5.0g) |
| 食塩相当量 | 0.15g |
| カルシウム | 75mg |
| ビタミン | B1 1.2mg/B2 1.4mg/B6 1.1mg |
| クエン酸 | 0.67g |
| カフェイン | なし |
| 分類 | 清涼飲料水(ゼリー飲料)・無果汁 |
| 不使用 | 保存料・酸化防止剤・アレルゲン28品目 |
実際にロング走15kmで使ってみた|正直レビュー
15kmのロング走、ちょうど中盤の地点でリポビタンキッズゼリーを補給した。走りながら使ってみて、良かった点と「これは練習向きだな」と感じた点が、はっきり分かれた。
まずデカい。手のひらにずっしりくる

手に持って最初に思ったのが、とにかくデカいということ。125gは、ランニング用のジェル(40〜50gが多い)の倍以上のボリュームだ。ランニングポーチに入れると、それなりに存在感がある。
子ども向けの栄養補給を想定した量なので当然なのだが、レース装備として持つには明らかにかさばる。このサイズ感が、後述する「練習向き」という評価につながっている。
味は甘め。でも疲れた体には入ってくる
ぶどう風味を飲んでみると、結構甘い。子ども向けだから当然と言えば当然だが、大人が普段飲むスポーツゼリーよりはっきり甘さが強い。
ただ、15kmを走って糖質が切れかけた体には、この甘さがむしろ入ってきた。きつい場面で甘いものが欲しくなるのはランナーなら分かるはず。ゼリーの口当たりもやわらかく、走りながらでも飲み込みやすかった。
走りながらの開け閉めは面倒。ゴミもそこそこ大きい

一番ネックだったのがキャップの開け閉め。量が多いぶん一口では飲みきれず、走りながらフタを閉め直す動作が必要になる。これが地味に面倒で、リズムが崩れる。
飲み終わったあとのゴミも、ジェルの小袋に比べるとそこそこ大きい。125gの容器なので当然だが、ポケットに丸めて入れてもかさばった。このあたりは、レース本番では確実にストレスになる部分だ。
栄養面|カフェインなし+ビタミンB・カルシウム・パラチノース
ランナー目線で栄養面を見ると、悪くない。糖質はぶどう糖(すばやくエネルギーになる)とパラチノース(ゆっくり吸収され、持続的にエネルギーになる糖)の組み合わせ。エネルギー補給の糖質としては理にかなっている。
さらにビタミンB群は、糖質をエネルギーに変えるときに体が使う栄養素だ。汗で失われる水分や糖分を、水分補給と一緒に手軽に摂れると考えれば、夏の練習では便利な一本になる。
リポビタンキッズゼリーは1袋99kcalと、エネルギー量はやや控えめ。ロング走やレースで「これ1本だけ」では足りないことが多い。あくまで水分補給とセットで、または他の補給食と組み合わせて使うのが現実的だ。なお食品(清涼飲料水)なので、薬のような効果を期待するものではない点も押さえておきたい。
5段階評価まとめ
| 項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 味・飲みやすさ | ★★★★☆ | 子ども向けで甘めだが、疲れた体には入ってくる。口当たりはやわらか |
| 補給効果 | ★★★★☆ | ぶどう糖+パラチノースで糖質しっかり。ビタミンB群・カルシウムも摂れる |
| 価格 | ★★★☆☆ | 1袋あたりおよそ130〜160円。専用補給食より割安だが量相応 |
| 携帯性 | ★★☆☆☆ | 125gでかさばり、走りながらの開け閉めが面倒。ゴミも大きめ |
| 総合 | ★★★☆☆ | レースには不向き。だが練習+水分補給と合わせるなら十分アリ |
どんな場面に向いている?
実際に走って使ってみて、向いている場面とそうでない場面がはっきりした。
- 練習でのロング走。かさばっても気にならず、糖質をしっかり補給したいとき
- カフェインを摂りたくない夕方〜夜の練習や、就寝前のトレーニング
- 水分補給とセットで、夏の練習にエネルギーと糖質を足したいとき
- 家族で常備している家庭。子どもと共用でき、無駄になりにくい
逆に、こんな場面には向かない。
- ❌ レース本番(かさばる・開け閉めが面倒・ゴミが大きい)
- ❌ とにかく軽量・コンパクトに装備をまとめたいとき
- ❌ 1本でしっかりカロリーを稼ぎたいとき(99kcalとやや控えめ)
よくある質問
大人が飲んでも大丈夫?
問題ない。清涼飲料水(食品)なので、大人が飲んでも特に支障はない。ただし子ども向けに甘さは強めなので、普段のスポーツゼリーより甘く感じる人は多いはずだ。
リポビタンDとの違いは?
まったくの別物だ。リポビタンDは指定医薬部外品で、タウリンを配合し、製品によってはカフェインも含む。一方リポビタンキッズゼリーは清涼飲料水(食品)で、タウリンもカフェインも入っていない。子ども向けの栄養ゼリー、という位置づけだ。
レースで使える?
おすすめはしない。味や栄養面は悪くないが、サイズが大きく、走りながらのキャップ開け閉めが手間で、ゴミもかさばる。1秒を削るレースよりも、練習向きの補給食だと感じた。
まとめ|レースは不向き、でも練習の相棒には悪くない
リポビタンキッズゼリーは、子ども向けという見た目に反して、練習用の補給食としては意外に使える一本だった。ぶどう糖+パラチノースで糖質をしっかり摂れて、カフェインなし。水分補給と合わせれば、夏のロング走でも頼りになる。
一方で、サイズの大きさ・開け閉めの手間・ゴミのかさばりは、レース本番では確実にネックになる。「練習はキッズゼリー、レースは軽量ジェル」と割り切って使い分けるのが、いちばん賢い付き合い方だと思う。
もらいものから始まった検証だったが、栄養ゼリーをあなどってはいけない、というのが正直な感想だ。
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