COROSのトレーニング負荷の見方|負荷比率・ベースフィットネス・オーバーリーチを月300kmランナーが実測解説

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COROSのトレーニング負荷の見方 アイキャッチ

COROS(カロス)を使い始めて、ダッシュボードに並ぶ「負荷比率 122%」「ベースフィットネス 117」「負荷インパクト 143」——こういう数字、意味がわからないまま放置していないだろうか。

正直に言うと、ぼくも最初はそうだった。なんとなく走って、なんとなく数字を眺めて、なんとなく閉じる。それの繰り返しだった。

でも、この3つの数字を読めるようになってから、練習の組み立て方が完全に変わった。「今日は追い込むべきか、抑えるべきか」を、感覚ではなく数字で判断できるようになったのだ。

この記事では、月300kmを走る40代ランナーが、自分の実測データを使って、COROSのトレーニング負荷の見方を解説する。難しい言葉は使わない。

この記事でわかること
  • COROSの「負荷インパクト」「ベースフィットネス」「負荷比率」が何を表すか
  • 負荷比率は何%が適正で、何%が「やりすぎ」なのか
  • 「トレーニング状態(良好・オーバーリーチ)」の使い方
  • 数字を使った1週間の練習の組み立て方(実例つき)
目次

そもそも「トレーニング負荷」とは何か

トレーニング負荷とは、ひとことで言えば「1回の運動で体にかかったストレスの大きさを数値化したもの」だ。COROSでは「トレーニングロード(TL)」として表示される。

ポイントは、距離だけで決まるわけではないこと。走った距離に、心拍(強度)と時間をかけ合わせて算出される。だから「短いけど追い込んだ練習」と「長いけどゆっくりの練習」が、同じくらいの負荷になることもある。

実際のぼくのデータで見てみよう。

  • 今日のミドル走 14.79km(平均心拍151)→ 負荷 137
  • 一昨日のロング走 28.65km(後半は心拍162まで上げた)→ 負荷 319

ロング走はミドル走の倍の距離だが、負荷は2倍以上。後半で強度を上げたぶん、体へのストレスが大きかったことが数字に出ている。

ミドル走137とロング走319のトレーニング負荷比較
同じランでも、強度が乗るほど負荷(TL)は大きくなる

COROSダッシュボードの3つの数字を読む

ダッシュボードの「トレーニング状態」エリアには、3つの数字が並んでいる。順番に見ていこう。

① 負荷インパクト|最近かけた刺激の大きさ

負荷インパクトは、直近(およそ7日間)にかけた負荷の大きさを表す。ぼくの今の数値は143。この数字が高いほど、最近よく体を動かしている、ということになる。

ただし高ければいいというものではない。大事なのは、次の「ベースフィットネス」とのバランスだ。

② ベースフィットネス|積み上げてきた土台

ベースフィットネスは、数週間〜数ヶ月の長いスパンでならした、体力の土台を表す。ぼくの今の数値は117

これは急には動かない。コツコツ走り続けることで、じわじわと上がっていく。逆に言えば、この数字が長期的に上向いていれば、確実に走力がついている証拠だ。1日の練習で一喜一憂する数字ではなく、月単位で眺める数字だと思っている。

③ 負荷比率|土台に対して、今どれだけ攻めているか

そして一番大事なのが負荷比率だ。これは、ざっくり言うと「負荷インパクト ÷ ベースフィットネス」——つまり「積み上げた土台に対して、今どれくらいの負荷をかけているか」の比率を表す。

ぼくの今の負荷比率は122%。この数字の読み方を、目安の表にまとめておく。

負荷比率状態体への意味
〜80%負荷不足余裕がある。もう少し追い込める
80〜100%維持現状維持〜ゆるやかに向上
100〜130%適正な追い込みフィットネスが伸びる「おいしい」ゾーン
130%超オーバーリーチ積みすぎ。回復を優先すべきサイン

※あくまで目安。COROSの表示や個人差によって最適な範囲は前後する。だが「100〜130%で攻めて、130%を超えたら抜く」を基本にすると、大きく外さない。

COROS負荷比率の目安ゾーン
負荷比率の目安。100〜130%が伸びるゾーン、130%超でオーバーリーチ

実例:負荷比率124%で「オーバーリーチ注意」が出た日

先日のロング走で、まさにこれを体験した。

28.65kmを走り、その日の負荷は319。これで負荷比率が124%まで跳ね上がった。さらにCOROSのリカバリー表示は47%「きつい」、トレーニング状態には「オーバーリーチ注意」の文字。体に大きなストレスがかかったことが、複数の数字でハッキリ示された。

ここで重要なのは、この警告を無視しないことだ。疲労が溜まった状態でさらに追い込めば、伸びるどころかケガや不調を招く。実際ぼくは翌日を休養にあて、負荷比率を124%→122%まで落とした。

正直、数字がなければ「なんか疲れてるな」で片付けて、たぶんそのまま突っ込んでいた。数字は、止まる判断を後押ししてくれる。これが一番ありがたい。

「トレーニング状態」の一言評価を活用する

細かい数字を毎回追うのが面倒な日もある。そんなときに便利なのが、ダッシュボード上部に表示される「トレーニング状態」の一言評価だ。

ぼくの今の表示は「良好」。「過去7日間でフィットネスが急速に向上しています」というメッセージが添えられている。

「良好」なら今の積み方を維持、「オーバーリーチ」なら回復を優先——このひとことを見るだけで、その日の大きな方向性(攻める・維持・抜く)がわかる。忙しい朝は、これだけチェックすれば十分なこともある。

数字を使った1週間の練習の組み立て方

では実際に、これらの数字をどう練習に活かすか。基本は「負荷比率を100〜130%のゾーンにキープしつつ、1週間の中で“波”を作る」ことだ。

参考までに、ぼくの今週のメニューを挙げる。

  • 火:インターバル(高負荷)
  • 木:テンポ走(中〜高負荷)
  • 土:ロング走(その週の最高負荷)
  • 日:ミドル走(中負荷)
  • 月:休養

高い負荷の翌日は、必ず負荷を落とす。特にロング走で負荷比率が跳ねた翌日は、休養か軽いジョグにする。こうして1週間でメリハリをつけると、土台(ベースフィットネス)を削らずに、フィットネスを積み上げられる。

繰り返しになるが、数字は「追い込むため」だけの道具ではない。「ここで止まれ」と教えてくれる道具でもある。ケガと付き合いながら走る身としては、この“止める”機能こそが一番の価値だと感じている。

よくある質問

負荷比率は何%を目指せばいい?

普段の練習期なら100〜120%を目安にすると、無理なくフィットネスが伸びる。レース前のテーパー(調整期)では、あえて80%前後まで下げて疲労を抜く。「常に高ければいい」ではない。

ベースフィットネスが全然上がらない

一気に上げようと高負荷を続けると、かえって逆効果になりやすい。土台は低強度のロング走でじわじわ作るもの。派手さはないが、これが一番の近道だ。

「オーバーリーチ」は悪いこと?

一時的なら、むしろ成長の過程だ。問題なのはその状態が続くこと。数日の休養で数字が戻ればOK。長引くなら、しっかり休む必要があるサインと考えていい。

これらの数字はどこで見られる?

ブラウザで t.coros.com を開いた「Training Hub」のダッシュボードで見られる。スマホアプリでも一部確認できる。詳しい使い方はCOROS Training Hubの使い方ガイドにまとめている。

まとめ

COROSのトレーニング負荷は、3つの数字で読み解ける。

  • 負荷インパクト=最近かけた刺激の大きさ
  • ベースフィットネス=積み上げてきた体力の土台
  • 負荷比率=そのバランス(100〜130%で攻め、130%超で抜く)

そして、ダッシュボード上部の「トレーニング状態」の一言評価を見れば、難しい計算抜きでも方向性はつかめる。

数字は、自分を追い込むためだけにあるのではない。ケガをせず、長く走り続けるための道具だ。COROSを持っているなら、ぜひ一度ダッシュボードを開いて、自分の3つの数字を眺めてみてほしい。

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