「GPSウォッチって、ちゃんと走れるようになってから買えばよくない?」
ランニングを始めたころ、ぼくはそう思っていた。
スマホのアプリで十分。時計に1〜2万円も出す意味がわからない。初心者がそんな道具を買っても使いこなせないでしょ、と。
でも、それは全部間違いだった。
今のぼくに言わせれば、GPSウォッチは「ちゃんと走れるようになってから」ではなく、「ちゃんと走れるようになるために」必要な道具だ。
ランニングを始めて2年。スマホアプリ3ヶ月、Huawei Watch Fit 3を2年、そして2ヶ月前からCOROS Pace4に移行した40代おじさんが、当時の自分に伝えたいことを書く。
ランニング初心者がGPSウォッチを持つべき理由
結論から言う。
初心者こそ、GPSウォッチが必要だ。理由は3つある。
① ペースが「感覚」から「数字」になる
ランニングを始めた最初の頃、ぼくはとにかく「頑張って走る」しかしていなかった。
ゆっくり走る、という概念がなかった。走るとは、息が上がるものだと思っていた。
GPSウォッチをつけて初めてわかった。ぼくの「ゆっくり走っているつもり」のペースは、キロ5分を切っていた。初心者がそのペースで毎回走れば、そりゃ膝も壊れる。
ペースが数字で見えると、「今日はキロ6分30秒で走る」という具体的な目標が立てられる。感覚ではなく、データで走れるようになる。これが、ケガを防ぐ一番の近道だとぼくは思っている。
② 心拍数を見るようになって、頑張りすぎなくなった
心拍数、という言葉を知っていても、自分の心拍数をリアルタイムで確認したことがある人は少ないと思う。
GPSウォッチをつけてからわかったのだが、ぼくは「ゆっくりジョグ」のつもりで走っても、心拍数が160〜170bpmまで上がっていた。これは「有酸素運動」ではなく「ほぼ全力運動」の領域だ。毎回それをやっていれば、疲労が抜けないのは当然だし、ケガのリスクも上がる。
心拍数が見えるようになってから、ぼくは「頑張りすぎない走り方」を覚えた。心拍140以下で走る日を意識的に作るようになって、体の回復速度が明らかに変わった。「もっとゆっくりでいい」というのは、頭でわかっていても実践が難しい。でも数字があれば、体が正直になれる。
③ 記録が積み上がるから、モチベーションが続く
ランニングを続けられない人の多くは、「成長を実感できない」ことが原因だと思う。毎回走っているのに、上手くなっているのかどうかわからない。だんだん走るのが義務になって、やめていく。
GPSウォッチがあれば、走るたびにデータが積み上がる。先月の自分と今月の自分が、数字で比較できる。COROS Pace4では、トレーニング量がグラフで可視化される。「あ、ちゃんと積み上がってる」という実感が、次の練習へのエネルギーになる。記録は、裏切らない。

最初は安いものでいい。でもGPSは必須だ
最初はスマホアプリ(Nike Run Club)で走っていた。これが思った以上に面倒で、毎回スマホを取り出してアプリを起動してスタートを押さないといけない。ポケットに入れて走るのも煩わしいし、そもそも雨の日や冬場はスマホを出したくない。
そこで次に使い始めたのが、Huawei Watch Fit 3だ。1万円前後で買えるスマートウォッチで、GPS内蔵・心拍数・歩数・カロリーが確認できる。スマホを持ち出さずに走れるようになったのは大きな進歩だった。スマホアプリ時代は約3ヶ月。Huawei Watch Fit 3はその後2年ほど使い続けた。

ただ、Huawei Watch Fit 3はランニングに特化した設計ではない。GPS精度がいまいちで、実際より短く距離が記録されることが多かった。表示されるデータも歩数・カロリー・心拍数が中心で細かい情報は出てこない。
ペース管理も感覚頼りになりがちだ。「なんとなく速い気がする」で走り続けて、膝に痛みが出てから初めて「やりすぎていた」と気づく。これがランニング初期の「オーバーペース→膝痛」の典型的なパターンで、ぼくもまったく同じ道を辿った。
最初は安いスマートウォッチでも十分だ。でもランニング専用機か、少なくともランナー向けのデータが出るモデルを選ぶことを強くすすめる。GPS精度とペース表示の精度が、ランニングの質を左右する。
なぜCOROS Pace4を選んだのか
GPSウォッチを買おうと思ったとき、候補は3つあった。
- Garmin Forerunner 165
- Amazfit Cheetah
- COROS Pace4
Garminは有名で信頼感がある。でも同スペックで比べると価格が高い。Amazfitはコスパが良い。でも日本語サポートとアプリの情報が少なく、初心者には不安だった。
COROS Pace4を選んだ理由は、「ランニングに特化している」ことだった。スマートウォッチとして多機能というよりも、走るための機能に絞って作られている印象。アプリもシンプルで、初心者のぼくでも迷わず使えた。バッテリーは通常使用で約19日。ロングランでGPSを使い続けても、充電を気にしながら走ることがない。これは地味に大きなメリットだった。
GPSウォッチで実際に何が見えるのか
COROS Pace4をつけて走ると、ウォッチ上でリアルタイムに確認できるデータは以下の通りだ。
- 現在のペース(/km):1秒単位でリアルタイム更新
- 心拍数(bpm):光学式センサーで常時計測
- 累積距離・経過時間:1kmごとにラップ音が鳴る
- ケイデンス(歩/分):ピッチの乱れを客観視できる
- 高度・傾斜:アップダウンのコースで役立つ

上の写真は実際の走行データだ。10.22km・47分34秒・平均ペース4分39秒。これが走り終わった直後にウォッチ画面で確認でき、同時にスマホのCOROS Appにも自動同期される。
さらに、COROS Training Hub(PCブラウザ版)を使うと、より詳細なデータが確認できる。ぼくのアカウントで現在確認できるデータは以下の通りだ。

| 項目 | ぼくの現在値 |
|---|---|
| ランニングレベル | 91.1(有酸素90.6 / 持久力90.2 / スピード90.2) |
| 閾値ペース | 4’01″/km |
| 閾値心拍 | 173bpm(最大心拍192bpm・安静時50bpm) |
| 5km予測タイム | 19分10秒(3’50″/km) |
| 10km予測タイム | 39分35秒(3’58″/km) |
| ハーフ予測タイム | 1時間27分40秒(4’09″/km) |
| フルマラソン予測タイム | 3時間02分30秒(4’20″/km) |
ランニングレベルや閾値ペースは、走るたびに更新されていく。「自分の現在地」が数値で出るから、今日どんな強度で走ればいいかも明確になる。
フィットネステスト機能:自分のレベルを数値で知る
COROS Pace4には、自分の現在の走力を測定するフィットネステスト機能が搭載されている。これが初心者に特に有効だ。
テストはウォッチ本体から起動できる。まず最近の10kmのタイムを入力し、ウォームアップ→乳酸閾値テスト(25分)→最大心拍数テスト(3分×2)→クールダウンという流れで進む。ウォッチがペースを指示してくれるので、指示通りに走るだけでいい。




テスト完了後、閾値ペース・最大心拍数・各心拍ゾーンが自動更新される。「自分の閾値ペースが4分01秒だ」とわかれば、インターバル走や閾値走のペース設定に迷わなくなる。初心者が「何となく頑張る」を卒業できる瞬間だ。
ナイロンバンドがおすすめの理由

COROS Pace4はシリコンバンドとナイロンバンドが選べる。ぼくが使っているのはナイロンバンドで、これが思った以上に快適だ。理由は3つある。
- つけ外しが速い:マジックテープ式なので、走る前後の着脱が10秒以内
- 軽い:シリコンより軽量で、長時間着用してもストレスが少ない
- 蒸れにくい:メッシュ素材なので汗をかいても通気性がよく、夏場も快適
ランニングウォッチは1日中つけていることも多い。その意味でも、ナイロンバンドの着け心地の軽さは日常使いにも向いている。
COROS Pace4に変えてから変わったこと
最初の3ヶ月で、走り方が変わった。ペースを守る習慣、心拍数を意識する習慣、データを見て練習を調整する習慣。GPSウォッチがなければ、全部「なんとなく」で終わっていたと思う。
Huawei Watch Fit 3を使っていた2年間でフルマラソン3時間36分を出せた。そしてCOROS Pace4に替えてまだ2ヶ月だが、データの細かさと分析の深さは次元が違う。閾値ペース・VO2max推定・心拍ゾーン別の時間分布など、Huawei では見えなかった情報が一気に可視化された。もっと早く移行していればよかったと素直に思っている。


まとめ|道具は「うまくなってから」ではなく「うまくなるために」買う
GPSウォッチは、上級者のための道具だと思っていた。でも実際に使ってみると、初心者こそ恩恵が大きい道具だとわかった。ペースが見える。心拍数が見える。記録が積み上がる。それだけで、走り方は確実に変わる。
最初は安いスマートウォッチでも始められる。ただし、GPS内蔵モデルを選ぶことだけは外さないでほしい。距離・ペースが正確に記録されるかどうかが、初期のランニング品質を大きく左右する。
「もう少し走れるようになってから」と思っているなら、その考えを一度疑ってみてほしい。ぼくは逆順にしていたことを、少し後悔している。
COROS Pace4を使い始めたら、まずランニングレベルテストをやってみることをおすすめする。自分の現在地が数値で分かる

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