2024年の秋、私は10km走るたびに、キロ4分8秒〜4分34秒、平均心拍数160台で走っていた。自分では、それがいつもの練習だと思っていた。
2026年の9月、昼休みに走る5kmは、キロ5分7秒で平均心拍数128だ。
この記事は、ゆっくり走れなかった私が、心拍数でジョグの上限を決めるようになった話だ。ゆっくり走っているつもりなのに息が上がる人、一緒に走る人をいつの間にか置いていってしまう人に向けて書く。数字はすべて、私の時計に残っている記録から出している。
2024年の私は、毎回ほぼレースだった
当時使っていたHuawei Watch Fit 3の記録はCOROS(カロス)に取り込んであるので、いま見返した。2024年9月下旬から12月上旬までで、心拍数が残っている練習を並べるとこうなる。
| 日付 | 距離 | ペース(/km) | 平均心拍数 |
|---|---|---|---|
| 9月21日 | 10.06km | 4分34秒 | 163 |
| 9月22日 | 7.58km | 5分27秒 | 141 |
| 10月2日 | 10.07km | 4分12秒 | 169 |
| 10月9日 | 10.09km | 4分18秒 | 168 |
| 10月12日 | 13.03km | 4分49秒 | 156 |
| 10月14日 | 10.06km | 4分19秒 | 161 |
| 10月16日 | 10.03km | 4分19秒 | 166 |
| 10月26日 | 10.11km | 4分13秒 | 157 |
| 10月29日 | 10.06km | 4分08秒 | 161 |
| 11月2日 | 10.11km | 4分17秒 | 161 |
| 11月12日 | 10.11km | 4分28秒 | 167 |
| 12月3日 | 7.08km | 4分28秒 | 159 |
12回のうち11回が、平均心拍数156以上だった。ゆっくり走ったと言えるのは、9月22日の1回だけだ。
当時の私は、これをきつい練習だと思っていたわけではない。いつも走っている10kmを、いつものように走っていただけだった。走るとは息が上がるものだと思っていた。
そして2025年の年明け、膝の違和感を押し切って走り続けて、左膝を痛めた。リハビリは8月まで続いた。この走り方がケガの原因だったと言い切ることはできない。ただ、ゆっくり走る日がほとんどなかったことは、数字に残っている。
「ゆっくり」は、自分の感覚ではわからない
家族と一緒に走ると、こうなる。
遅いペースで走っているつもりでも、妻や息子を置いてけぼりにしてしまう。
自分では遅くしているつもりでも、体に染みついたペースに戻ってしまう。感覚の「ゆっくり」は、あてにならない。だから、数字で上限を決めることにした。
ジョグの上限は、心拍数で決める
心拍数を意識して走るようになったのは、2026年に入ってからだ。時計をカロスに替えてからのことだ。
ジョグの上限は、平均心拍数135に決めた。カロスの心拍ゾーンを見て決めた数字だ。いまの私だと、キロ5分前後で走ると心拍数130前後になる。
ただし、135は私の数字で、誰にでも当てはまるものではない。心拍ゾーンは人によって違う。上限を決めるときは、次の順で考えるといい。
- ランニングウォッチを持っているなら、時計が出す心拍ゾーンを見て、いちばん楽なゾーンの上限を使う
- 時計がないなら、「隣の人と会話を続けられるくらい」を上限にする
- 持病がある人、薬を飲んでいる人、健康診断で心臓や血圧を指摘された人は、運動の強さを先に医師に相談する
心拍数を見ると何が変わるかは、ランニングウォッチの記事にも書いた。

初めて上限を守った日、正直「物足りない」と思った
上限を守って初めて走ったときの感想は、「物足りない」だった。
息は上がらないし、脚も疲れない。これで練習になっているのかと思った。
でも、いまはその物足りなさがちょうどいいのだと思っている。息が上がるペースで毎回走っていたのが2024年の私で、その結果が上の表だ。
キロ5分のつもりでも、心拍は135を超える
上限を決めても、ペースの感覚がすぐに変わるわけではない。
平日の昼休みには、だいたいキロ5分で5kmを走っている。その記録を上限の135と比べると、2026年8月は9回走って、平均心拍数が135以下だったのは1回だけだった。9月は8回中5回だった。

135を超えた11回のうち9回は、キロ5分より速い4分33〜54秒で走っていた。キロ5分のつもりで出て、気がつくと速くなっている。いちばん上がった日は9月11日で、キロ4分33秒、心拍数154だった。
ペースの目安だけで走ると、速くなった日に気づけない。だから、ペースではなく心拍数で上限を見るほうが確実だと思っている。
2年で、同じペースの心拍数はどう変わったか
2024年と2026年で、同じくらいのペースで走った日の心拍数を比べた。

| 時期 | ペース(/km) | 回数 | 平均心拍数 |
|---|---|---|---|
| 2024年9月 | 5分17秒〜5分31秒 | 5回 | 152 |
| 2026年8〜9月 | 5分02秒〜5分15秒 | 9回 | 132 |
2026年のほうが少し速いペースなのに、心拍数は約20拍低い。
ただし、これを「ゆっくり走ったおかげ」だとは言えない。この2年で走った距離も体重も違うし、2024年はHuawei Watch Fit 3、2026年はカロスと、測った時計も違う。言えるのは、同じくらいのペースで走ったときの心拍数が、数字の上では20拍ほど低くなっているということだけだ。
それでも、2024年の赤い点が並んでいる場所と、いまのジョグの紺の点が並んでいる場所を見比べると、自分の走り方が変わったことはよくわかる。
ケガはどうなったか
心拍数を意識して走るようになってから、長く走れなくなるような大きなケガはしていない。
ただ、ケガがゼロになったわけではない。2026年9月には、すねの内側に痛みが出て、4日間走るのを完全に休んだ。ゆっくり走っていれば、ケガをしないわけではない。痛みが出たら、上限を守っていても休む。そこは別の話として分けて考えている。
これから走り始める人へ
2024年の自分に言うなら、この3つだ。
- ジョグの上限を、数字で1つ決める。時計の心拍ゾーンか、「会話できるくらい」で決める
- 「物足りない」と感じたら、それがちょうどいい。
- ペースではなく、心拍数で見る。キロ5分のつもりでも速くなった日は、心拍数にしか出ない
速く走る練習は、ゆっくり走れるようになってからでも遅くない。いまの私の練習でも、本当に速く走っているのは全体の2割くらいだ。
走り始めの1週間の組み方はこちら。30秒のランから始めるメニューで、ここでも「会話できるくらいのペース」を基準にしている。

ジョグ以外の練習のペースの種類は、ここで整理した。

心拍数でもう一段深く体の状態を見るなら、心拍変動(HRV)の話も書いている。


