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「半月板損傷」と診断されて、走ることを諦めかけていないか。
私自身、半月板損傷と棚障害という二つの爆弾を左膝に抱えながら、今も走り続けている。だから、膝に不安を抱えて走りたい人の気持ちは痛いほどわかる。
ただ、最初に正直に言っておきたい。この記事は医師の診断に代わるものではないし、「あなたも走れる」と無責任に背中を押すものでもない。あくまで一人の当事者が、医師と相談しながらどう膝と付き合っているかの記録だ。走っていい場合と、走ってはいけない場合がある。その線引きも含めて、正直に書く。
はじめに。この記事は、筆者個人の体験をまとめたものだ。診断や治療を目的としたものではない。半月板損傷の状態は人によって大きく違う。診断や、運動してよいかどうかは、必ず整形外科医に相談してほしい。痛み・腫れ・膝の引っかかりなどがあるときは、自己判断で走らずに受診してほしい。
- 私の半月板損傷の経緯と、いまの付き合い方
- 「走っていい場合」と「走ってはいけない場合」の線引き
- 膝の爆弾と付き合いながら走り続ける5つの工夫
- 痛みが出たときに必ず守っているルール
- 手術・サポーターなど、よくある疑問への答え
私の半月板損傷の経緯
走り始めたのは2024年4月だ。それから8か月ほどたった2024年12月、左膝に違和感が出た。走れないほどではなかったので、押し切って走り続けた。
結果、左膝を痛めた。年明けに整形外科を受診し、診断は棚障害(タナ障害)。同じときにMRIを撮って、自分ではまったく気づいていなかったが、かなり昔から半月板を損傷していたことも告げられた。
そこから2025年8月まで、整形外科でリハビリを続けた。中心は体幹の強化だった。いまは膝と相談しながら、無理のない範囲で走るようにしている。
大事なのは、これは「完治」ではなく「共存」だということだ。膝の爆弾は今も抱えたまま。だからこそ、付き合い方が何より重要になる。
走り始めてから遠回りしたことは、別の記事に9つまとめた。

ちなみに、もう一つの爆弾である棚障害については、別の記事で闘病の全記録をまとめている。

大前提:「走っていい場合」と「走ってはいけない場合」
工夫の話に入る前に、どうしても先に伝えたいことがある。半月板損傷といっても、その状態は人によってまったく違う。だから自己判断は本当に危険だ。
まず、次のサインがあるときは走ってはいけない。すぐに医療機関を受診してほしい。
- 膝が引っかかって、伸び切らない・曲がり切らない(ロッキング)
- 歩くだけで強い痛みがある
- 膝が腫れている、水がたまっている感じがある
- 膝がガクッと崩れる(膝崩れ)
- ケガをした直後で、まだ医師の診断を受けていない
これらがあるのに走るのは、損傷をさらに広げる行為だ。私の経験から言っても、ここで無理をしていいことは一つもない。絶対にやめてほしい。
一方で、医師から運動の許可が出ていて、安静時や歩行時に痛みがない——そういう状態であれば、慎重に走れる可能性はある。私もこの段階から、少しずつ距離を戻していった。ただし何度でも言うが、その判断は必ず医師と一緒に行ってほしい。
そして、これだけは覚えて帰ってほしい大原則がある。痛みは「止まれ」のサインだ。我慢して走ってはいけない。
膝の爆弾と付き合いながら走り続ける5つの工夫
医師の許可を前提に、私が膝を守るために実際にやっていることを5つ紹介する。どれも「膝への負担をどう減らすか」という一点に尽きる。
工夫① フォームを見直す——ピッチを上げて着地衝撃を減らす
歩幅(ストライド)を大きく伸ばす走りは、一歩ごとの着地衝撃が大きく、膝に厳しい。そこで歩数(ピッチ)を増やして、一歩を小さく刻むように変えた。同じスピードでも、一歩ごとの衝撃は小さくなる。私もいまは、ピッチを意識して走っている。
ピッチを意識する具体的な方法は、COROSの実測データ付きでこちらにまとめている。

工夫② クッション性の高いシューズを選ぶ
膝に不安があるなら、クッション性と安定性のあるシューズを選びたい。私はいま、ゆっくり走る日はニューバランス フレッシュフォーム X 860 v15を履いている。
昼休みには底の薄いベアフットシューズでも走っていたが、2026年9月にすねを痛めてからは休んでいる。
両足とも扁平足・幅広の私が、7足を履き分けて決めた使い分けはこちらにまとめた。

工夫③ 練習量を管理する——「引く勇気」を持つ
調子がいいと、つい距離を伸ばしたくなる。だが膝に爆弾を抱えている人ほど、急な増量は禁物だ。週単位で負荷を管理し、少しでも違和感が出たら迷わず引く。「引く勇気」こそ、長く走り続けるための一番の技術だと思っている。
いちばん新しい例は、2026年9月だ。今度は右のすねを痛め、9月25日にシンスプリントと診断された。医師の指示は「できる限り安静」。走ってよいかの目安は「けんけんして痛みがほとんど無ければいいんじゃない?」だった。
10月4日のハーフマラソンには出たが、記録は狙わず、途中で止まる前提で走った。結果は1時間48分38秒だった。
工夫④ 膝を守る筋肉を鍛える
膝の関節そのものは鍛えられない。だが、膝の周りの筋肉(太もも前の大腿四頭筋、お尻の殿筋、もも裏のハムストリング)を鍛えると、膝にかかる負担を肩代わりしてくれる。スクワットやヒップリフトなどを、痛みの出ない範囲で取り入れている。
2026年1月に受けたランニングフォーム診断では、着地しているあいだに膝が内側へぶれる量が平均10.8mmで、平均値(約5〜6mm)の約2倍だった。脚はO脚(指2本分)と判定され、腹筋やお尻まわり、太もも裏を鍛えるようアドバイスを受けた。
補強のやり方は、こちらにまとめている。

ただし筋トレも、フォームを間違えるとかえって膝を痛める。不安があれば理学療法士やトレーナーに一度見てもらうのが安全だ。
工夫⑤ 体重管理とアイシング・日々のケア
当たり前だが、体重が増えるほど膝への負担は増える。食べることが大好きな私にとっては耳の痛い話だが、ここはごまかせない。走った後に違和感があればアイシングをし、日々ストレッチで膝まわりをほぐす。地味なケアの積み重ねが、私には欠かせない。
痛みが出たときの、私のルール
どれだけ気をつけても、膝が痛むことはある。私がいま決めているのは、膝に違和感が出た週は、予定していた練習をまるごと捨てることだ。捨てると決めておけば、その場で迷わずに済む。
もう一つは、毎朝の確認だ。起きてすぐ、その場で片脚ずつ軽く跳ぶ(けんけん)。歩いて痛むか、起きたときに痛むかも確かめ、痛みを0〜10の数字にしてから、その日に走るかを決めている。
2026年6月25日には、テンポ走に出た直後に違和感が出て、1.6kmで切り上げた。その週のロング走24kmも飛ばした。4日休んだら戻った。そのうえで、痛みが出たときに守ってほしいことをまとめておく。
- 走行中に膝が痛んだら、その場で走るのをやめて歩いて帰る。「あと少しだけ」はやらない
- 翌日も痛むなら、その日は走らず休む
- 腫れ・ロッキング・膝崩れがあれば、走らずに受診する
- 痛み止めで痛みを消して走ることはしない
2024年12月に違和感を押し切った結果が、2025年8月まで続いたリハビリだった。その場は走れても、あとで何倍にもなって返ってくる。
それでも、私が走り続ける理由
膝に爆弾を抱えていても、走り終えたあとの爽快感も、健康でいられる安心も、家族のための体づくりも、私にとってはどれも手放せないものだ。
完璧な体でなくても、工夫すれば走り続けられる。むしろ、ケガと向き合ったからこそ、体の声を聞きながら走れるようになった。同じように膝で悩む誰かの、小さな希望になれたら嬉しい。
よくある質問
Q. 半月板損傷は手術すべき?
状態によるとしか言えない。保存療法(手術せず筋トレやリハビリで付き合う方法)で走れる人もいれば、手術が必要な人もいる。これは整形外科医にしか判断できない領域だ。素人判断は絶対に避けてほしい。
Q. サポーターは効果ある?
安心感や保温、軽い安定の助けにはなると言われる。私自身は使っていない。ただし、サポーターを頼りに無理をするのは逆効果だ。あくまで補助であって、痛みを消してくれる魔法の道具ではない。
Q. 痛み止めを飲んで走ってもいい?
おすすめしない。痛みを薬で消して走ると、損傷が進んでいても気づけず、悪化させる恐れがある。痛みは膝を守るための大事なセンサーだ。消してまで走るものではない。医師から指示がある場合は、それに従ってほしい。
Q. 走るとかえって悪化しない?
負荷の管理とフォーム次第だと思う。無理をすれば悪化する。だからこそ、医師と相談しながら慎重に進めることが欠かせない。
まとめ:膝と相談しながら、長く走り続けよう
半月板損傷でも、状態と付き合い方次第で走り続けられる場合がある。ただしそれは、「医師の許可」と「痛みを我慢しない」という二つが大前提だ。
- 走ってはいけない危険サイン(ロッキング・強い痛み・腫れ・膝崩れ)を覚えておく
- フォーム・シューズ・練習量・筋トレ・体重管理で膝の負担を減らす
- 痛みが出たら我慢せず止める。少しでも不安があれば受診する
- 判断はすべて医師と一緒に。自己判断はしない
膝の爆弾と一生付き合うことになっても、工夫次第で走る喜びは手放さなくていい。あなたの膝と相談しながら、無理なく長く走り続けていこう。
0からハーフ完走までの順番は、この記事にまとめている。膝やすねが痛いときに読む記事は、STEP4に並べた。


