「自分のフォーム、思っているのと全然ちがった」——ランニングフォームを動画で撮って見返したときの、正直な第一声がこれだった。
走っているときの感覚と、外から見た実際の動きは、けっこうズレる。頭の中では軽やかに走っているつもりでも、映像だと「あれ、こんな走り方だったっけ?」となる。逆に言えば、一度映像で自分の走りを見てしまえば、直すべきポイントが一気にはっきりする。
この記事では、アクションカメラ(DJI Osmo Action 5 Pro)を使ったランニングフォームの撮り方を、実際の手順に沿って紹介する。さらに、撮った映像から僕自身のフォームを分析してみた結果も正直に公開する。三脚もスタッフも要らない。ベンチにカメラを置いて、その前を走るだけだ。
- 市民ランナーがフォームを「動画」で撮るべき理由
- アクションカメラを使ったフォーム撮影の具体的な手順と設定
- 撮った映像から静止画(連続写真)を切り出すコツ
- 実際に自分のフォームを見て気づいたこと(サブ80を目指すランナーの実例)
なぜ市民ランナーこそ、フォームを「動画」で撮るべきなのか
フォーム改善というと「専門家に見てもらうもの」というイメージがあるかもしれない。でも、まず最初にやるべきなのは「自分の走りを自分の目で見る」ことだと思う。理由はシンプルで、感覚と現実のズレを埋めない限り、何を直せばいいのか分からないからだ。
鏡の前でフォームを作るのと、実際に地面を蹴って進むフォームは別物。だからこそ「実走を横から撮った動画」に価値がある。スマホでも撮れなくはないが、アクションカメラが向いている理由がいくつかある。
- 超広角で全身+前後の動きがまるごと入る(画角が狭いと、通り過ぎる一瞬しか写らない)
- 手ブレ補正が強力で、雑に置いても映像が安定する
- 軽くて小さいので、ベンチや低い台にポンと置くだけでセットできる
- 防水・タフなので、汗や小雨・砂ぼこりを気にせず外に持ち出せる
僕が使っているのはDJI オズモアクション5 Pro(Osmo Action 5 Pro)。もともとレース動画を撮るために買ったカメラだが、フォーム確認との相性がとにかく良い。

カメラそのものの使い勝手はオズモアクション5 Proのレビュー記事にまとめているので、機材選びで迷っている人はそちらも参考にしてほしい。ここからは「フォームを撮る」ことに絞って進める。
【実践】アクションカメラでランニングフォームを撮る方法
やることは3ステップだけ。①設定する → ②横に置く → ③その前を走る。順番に見ていく。
① カメラの設定(1080P・広角・手ブレ補正ON)

フォーム確認なら、画質は1080P(フルHD)で十分。むしろ大事なのは次の3つだ。
- フレームレートは60fps以上にする。あとでコマ送り・スロー再生したときに、接地の瞬間までなめらかに追える
- 画角は「広角(W)」に。全身と前後の動きをしっかり収める
- 手ブレ補正(RockSteady)はON。置き撮りでも、念のため効かせておくと安定する
📌 スローで細かく見たいなら、120fpsなどのハイフレームレートで撮っておくと、接地の一瞬をコマ送りでじっくり確認できる。まずは60fpsから始めれば十分だ。
② カメラを「横から・低い位置」に置く

置き方のポイントは「真横から」「低い位置から」「全身が入る距離」の3つ。
- 真横から:フォームは横から見るのが基本。接地位置・上体の傾き・腕振り・脚の運びが一番わかる
- 低い位置から:地面に近いほど、接地の瞬間や脚のたたみ方が見やすい。ベンチや縁石、地面に直置きでもいい
- 距離をとって全身を入れる:超広角なら、数メートル離れれば走ってくる〜通り過ぎるまでの数歩がしっかり写る
僕は公園のベンチにそのまま置いた。三脚があればベストだが、なくても「その辺にある平らな場所」で十分成立するのがアクションカメラの気軽さだ。
③ カメラの前を、いつものペースで走る
あとは録画をスタートして、カメラの前を横切るように走るだけ。1回だと数歩しか撮れないので、Uターンして何往復かすると、良いコマが手に入る確率が上がる。
コツは「いつも通りのペースで、自然に走る」こと。撮られていると意識して作り込むと、普段のフォームじゃなくなってしまう。素の走りこそ改善のヒントが詰まっている。実際に撮れた映像がこれだ。

この1枚だけでも「上体はまっすぐ」「接地の位置」あたりが読み取れる。ここからコマ送りで1歩を分解すると、さらに細かく見えてくる。
撮った動画から静止画(連続写真)を切り出す
動画のまま見てもいいが、1歩ぶんを連続した静止画に並べると、フォームの流れが一気に読み取りやすくなる。難しい編集ソフトは要らない。
- スマホやPCで動画を再生し、気になる場面でスクリーンショットを撮る
- スロー再生やコマ送り機能を使えば、接地の瞬間もピンポイントで止められる
- 「接地 → 支持 → 蹴り出し → 脚の引き戻し」が並ぶように何枚か抜き出し、横に並べる
こうして作ったのが、次のフォーム分析で使う連続写真だ。
【実録】自分のランニングフォームを分析してみた
ここからは、実際に撮った映像から僕自身のフォームを見て気づいたことを、良かった点・気になった点に分けて正直に書く。ちなみに撮影日はイージージョグ(キロ5分18秒くらい)の日。ゆっくり走っているときほど、フォームの素が出るので、こういう日の映像はむしろ参考になる。

✅ 良かった点
- 上体の前傾が適度。反り返らず、みぞおちからスッと前に進めている。夏の疲れた状態でも姿勢が崩れていなかったのは、自分でも意外な収穫だった
- 腕振りがコンパクト。肘がしっかり引けていて、左右に横流れしていない。肩の力みも少なめ
- 蹴ったあと、脚がしっかりたたまれている。かかとがお尻に近づくように引き戻せていて、次の一歩へのつなぎが効率的
- お尻(臀部)が使えている。片脚で支える瞬間に骨盤がガクッと落ちる様子がなく、体幹が安定している。膝への負担を減らすうえでも大事なポイント
⚠️ 気になった点
一方で、直したいところも1つ見つかった。
イージーペースだと、接地がやや体の前になりがちだった。ゆっくり走ると脚が前に流れやすいのは市民ランナーあるあるで、そのまま踵から着くとブレーキと膝への負担につながりやすい。
対策はシンプルで、「ピッチ(回転)を気持ち上げる」意識を持つこと。歩幅を伸ばそうとするより、足を体の真下に置くイメージで小刻みに回すほうが、接地が自然と真下に寄ってくる。速いペースでは真下で接地できていたので、ゆっくりの日ほどこの意識を持つのが僕の課題だと分かった。
📌 これはあくまで「僕の場合」の気づき。フォームの正解は人によって違うので、まずは自分の映像を撮って、自分の課題を見つけるのが第一歩。気になる人は専門家やランニング店のフォーム診断も併用すると安心だ。
撮ってみて分かった、撮影のコツと失敗談
- 録画は長めに回す:ちょうどいい1歩は意外と一瞬。ケチらず回して、あとから良いコマを選ぶ
- 逆光に注意:朝夕は空を背にすると人物が暗くなりがち。太陽を背にする向きで置くと、体のラインがはっきり写る
- バッテリーとメモリーに余裕を:高フレームレートは容量を食う。往復して撮るなら残量チェックを
- 置き場所は安定第一:風やちょっとした振動で倒れると画角がズレる。平らで安定した場所に置く
まとめ|フォームは「撮って見る」だけで変わり始める
ランニングフォームの改善は、「自分の走りを客観的に見る」ところから始まる。そして、その第一歩は驚くほど簡単だ。アクションカメラをベンチに置いて、その前を走る。それだけで、感覚では気づけなかった課題が見えてくる。
僕の場合は「上体・腕振り・脚のたたみは合格、でもイージーペースの接地が前寄り」という具体的な課題が見つかった。漠然と走るより、直すポイントが1つ分かっているだけで練習の密度が変わる。サブ80という目標に向けて、これは大きい。
特別な機材がなくても、スマホでもまずは撮ってみる価値がある。そのうえで「もっと広く・安定して撮りたい」と思ったら、アクションカメラは本当に頼れる相棒になる。
📌【使用カメラ】DJI Osmo Action 5 Pro(オズモアクション5 Pro)。詳しいレビューはこちらの記事にまとめています。


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